ANAが支援するSKYマークはネスカフェのコーヒーを提供しています

わずかに見えるスカイマーク社の航空機

ANAの支援を受けているSKYマークがネスレと提携し、2016年10月1日からネスカフェとSKYマーク限定デザインのキットカットを搭乗者全員に無料提供することを発表しました。

SKYマークには1度だけ乗った事がありますが、今回のネスレ社との提携・ネスカフェの提供開始はANAとも関わりがあるのかな?と思わせるニュースです。

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ANAとSKYマーク社の関係

まず始めに、ANAとSKYマーク社の関係性についておさらいです。

現在この2社はANAがSKYマークを支援するという形になっていますが、コードシェア便等に関してはANA側の思惑通りに進んでいないようです。

SKYマークは民事再生法から1年で手続き集結しています。

原油安がもう少し早くに始まっていたら恐らく経営破綻しなかったでしょうし、これから延びてくると予想できた東南アジアへの就航をベースに経営していれば破綻はしなかったのではないかと思います。

一方で、JALが国の監視下に置かれている為、JALとSKYマークとの間では支援がうまく進まず、最終的にANAがSKYマークを支援する異なったわけですが、ANAが狙っていた路線・機材・システム拡大はうまくおこなえていないというのが現状です。

1年で民事再生法の手続きが完了した事からもわかる通り、SKYマークはそこそこ好調でANA側にすべてを許す必要も無い経営状態に戻りつつある為、ANAとSKYマークはあまり良い関係性ではない状態が続いています。

ネスレとSKYマーク社の提携

先日発表されたネスレとSKYマークの提携(機内でのネスカフェ無料提供)は非常に興味深いものです。

JALやANAといったフルサービスの航空会社であれば珈琲等の飲料は無料で提供されますが、LCCと呼ばれる航空会社達は機内サービスは基本的には有料です。

SKYマークも珈琲が有料です。

日本国内であれば機内にいる時間は1〜2時間程度ですからまあ、飲料等無くても良いという方も多いとは思います。

ですが、SKYマークはあえて無料で珈琲を提供し、しかもネスレ社とネスカフェの名前を前面に押し出して提供する提携をしています。

今まで、日本のLCCは提供している珈琲のブランドを開示している会社が殆どの中、SKYマークだけは非公開、つまりどこにも珈琲の提供元やブランドを出していなかったのです。

そのSKYマークがネスレを前面に押し出すということは、LCCの中で頭一つ抜けだそうとしているように思います。

ANAやJAL等のフルサービスの航空会社のように様々なシステムやラウンジ等を用意してコストを掛ける事無く、かといってLCCの中で価格競争だけをするわけでもなく、1杯の珈琲で勝負しはじめています。

SKYマークが今まで有料の珈琲でどれだけの利益をあげられていたのかはわかりませんが、あまり珈琲が売れていなかったとすると、ネスカフェというブランド名提示で珈琲提供の価格交渉をうまく引き下げたのかもしれません。

ネスカフェブランドを前面に出す事で珈琲に関連する仕入れコストを下げ、無料で珈琲提供する事で搭乗率を上げて利益を出す、この方法がうまくいくのかどうか楽しみです。

ネスカフェブランドで機内珈琲を提供しているのは一部航空会社のファーストクラスだけ、ビジネスやエコノミーでは提供されないネスカフェブランドがLCCで無料で提供されるという事は他のLCCにとっても結果が気になるところではないでしょうか。

ネスレとSKYマークの提携にANAがどう絡んでいるのか

SKYマークは提供している珈琲のブランドを開示していなかったため、元々ネスレから珈琲を購入していたのかどうかわかりません。

ですが、上記のような提携の仕方を見るにこの2社は新規提携で、その間にはANA、正確にはANA傘下のLCCであるピーチが絡んでいるのではないかなと予想しています。

ピーチが機内で提供している珈琲はネスカフェゴールドブレンドなので、ネスレとSKYマークが同じANA傘下の2社に珈琲を提供するという事は同条件もしくは全く別の提供の仕方というのが多いですからね、今回は後者だと想定されます。

逆にANA本体も既にネスレから珈琲の提供を受け、エコノミークラスで提供しているのではないでしょうか。

ANAのエコノミークラスで提供される珈琲は決して美味しいものではない(普通の珈琲)ですが、SKYマークの珈琲の方が美味しいなんてことになったら面白いですね。

ですが、ANAの場合は美味しい珈琲やおいしい料理、質の良いサービスを受けたい方はビジネスクラスやファーストクラスを利用してくださいというサービススタイルですから、エコノミークラスがLCCであるピーチやSKYマークに劣っていたとしても問題は無いように思います。

ただ、1社が無料提供を始めると日本の企業はこぞって同じサービスを提供し始めることが多いですから、各社が自社の「売り」が何で「どこで」利益を出すのか、集客方法の仕方の工夫などしないと共倒れになりかねません。

何でも他社と同じ、右に倣えの経営はやめて、企業価値・ブランド価値によって消費者に選んでもらえるようになれば今回のネスレとSKYマークの提携は成功と言えるのではないでしょうか。

ANAは2017年夏にアイスコーヒーを提供

ANAがネスレ社からコーヒーの提供を受けているかはわかりませんが、ANAは2017年6月〜8月末まで、国内線のプレミアムクラスとエコノミークラスでアイスコーヒーの提供を行います。

通常、プレミアムクラスとエコノミークラスとで差があるものについてはしっかりと差を書くことが常となっている状況で、ANAのアイスコーヒー提供の資料を読むと同じアイスコーヒーがプレミアムクラスとエコノミークラスで出されるようです。

プレミアムクラスにはネスカフェブランドのアイスコーヒーを提供するなど、差を出したほうがよかったのではと思いますが、SKYマーク社とANA社とではコーヒーに対しての考え方はまるで違うようです。

まとめ

ネスレとSKYマークが提携し2016年10月1日からLCCでは珍しく無料で珈琲1杯を提供します、さらに一部の航空会社のファーストクラスでしか提供されていないネスカフェブランドがLCCに登場するという事で提携の裏側や今後に付いて勝手に考察してみました。

今回はANAともマイレージともあまり関係のないネスレとSKYマークの提携について書いていますが、ANA傘下の2社がネスレからコーヒを提供されるという事で、ANAのエコノミークラスの珈琲もネスレのものだという気がします。

当記事で紹介しているSKYマークのネスカフェがテレビCMでも紹介されるようになりました。

CMの制作費、広告枠の購入費用を捻出できるということを考えると、今回の提携はネスカフェとSKYマークの両者にとって良い提携となっているのではないでしょうか。

SKYマークは以前から機内での飲み物の提供が有料であり、LCCの先駆けのようなところがありましたが、ネスカフェブランドを無料で提供するというこの試みは新しい価値の提供としてLCCを引っ張っていくことになるかもしれません。

ぜひ、SKYマークに乗って一部航空会社のファーストクラスで提供されているネスカフェブランドのコーヒーを味わってみては如何でしょう。

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