2016年のF1日本GPタイトルスポンサーはエミレーツ航空 ANAやJALは?

F1表彰台とエミレーツ航空

10月9日に決勝レースが行われた今年のF1日本グランプリ。

そのタイトルスポンサーはエミレーツ航空でした、なぜ日本グランプリで日本の航空会社であるANAやJALがスポンサーにならないのか。

ANAとJALはなぜF1を活用しないのかでも書きましたが、今年のタイトルスポンサーが航空会社、しかも海外の航空会社だったこともありANAとJALには非常に幻滅してしまいました。

ANAやJALがスポンサーになるのは国内の企業絡みや日本人関連が多く、世界中に顧客を増やしたり世界で起こっているビジネスに参加しようという気がないように思えてしまいました。

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F1日本グランプリのタイトルスポンサー

F1日本グランプリにおけるタイトルスポンサーは長らくフジテレビが付いていましたが、2009年を最後にスポンサーをやめて以降、日本グランプリのタイトルスポンサーは海外の企業か、スポンサー無しのどちらかでした。

そして、今年のタイトルスポンサーにエミレーツ航空が付き、レース前のグリッド紹介やレース後の表彰式前の通路などにはエミレーツ航空の客室乗務員が行なっていました。

海外のF1グランプリでは航空会社がタイトルスポンサーになり、F1を誘致することも多く、シンガポールグランプリはシンガポール航空がタイトルスポンサーとなり、グリッド紹介などはシンガポール航空の客室乗務員が行なっています。

今年のシンガポールグランプリのグリッド紹介には、シンガポール航空で働く日本人の客室乗務員もおり、国際映像や世界中で発行されているF1やスポーツ関連の雑誌に掲載されていました。

タイトルスポンサーというと、スタート位置上にある看板広告を出せる権利と思っている方も多いようですが、それ以上に様々な面でビジネスする権利が与えられます。

F1日本グランプリにANAやJALなどの日本の航空会社がタイトルスポンサーになっていれば、もっと世界中でビジネスできるのに非常にもったいないことです。

F1ビジネスという面で最も成功した日本人ドライバーであるタキ井上さんが書かれた本「タキ井上が教えます! リアルな裏F1」を読んでみると少しF1とお金F1の裏側について知ることができます。

単純なレースイベントではない世界を知る第一歩としてとてもよい本なのでオススメです。

ANAがF1にスポンサードしたら

もし、F1日本グランプリにANAがスポンサーになったとしたら、F1関連の機材を運ぶだけでなく、F1ドライバーや関係者、そして彼らのスポンサー企業のトップたちをANAで日本グランプリに来てもらうことも交渉できます。

F1関係者の多くは日本の航空会社を使っていません。

どんなに素晴らしいサービスを提供していると発表しても、それを体験してもらうことがなければいつまでたっても顧客にはなり得ません。

逆に、ANAがF1タイトルスポンサーとしてパドックに入り、世界の企業のトップや富豪たちとビジネスの話をすることで、ANAを利用していただく機会を提供することも可能になりますし、業務提携や各国での物品の販路開拓なども可能になります。

スポンサーというとお金を出して看板を立てたり、社名やブランド名を出すことばかりに目が行きがちですが、F1のパドックには世界中の富豪や企業のトップが集まる社交場になっており、多くの提携話などがここで議論され、ここで企業のトップ同士が出会っているのです。

ANAの顧客が少ない国や地域の企業トップと会合し、その後のビジネスに繋げるという発想を持ってF1日本グランプリのタイトルスポンサーになっていたら、エミレーツ航空が日本グランプリのタイトルスポンサーになることはなかったでしょう。

逆に、エミレーツ航空はF1の商業面を管理しているFOMと契約しいくつかのレースでスポンサーをしていますし、タイトルスポンサーまで請け負うこともあります。

世界中に配信される映像や写真だけでなく、今までコネクションのない企業や団体のトップと会うことや、スポンサー企業同士を介してお互いにコネクションのある企業を紹介するなど、ビジネスを広げる手段になっています。

F1が日本で人気が落ち、視聴率も悪くサーキットに人も集まらないという状況だけを見てF1スポンサーの価値を判断しているのか、それともはなからF1に興味がないのかはわかりませんが、昨年のDHLや今年のエミレーツ航空が日本という地でタイトルスポンサーをしているということは、それだけ利益・恩恵が受けられるからです。

ANAやJALは航空会社である以上、国内路線だけではなく国際路線も運行し、そこに搭乗してもらわないといけないはずです。

人口減少で先細りが見えている日本企業や日本人ばかりを見ていないで、世界中のビジネス相手を見ていってもらいたい、そう感じたF1日本グランプリでした。

F1マシンとエミレーツ航空の広告

F1マシンとエミレーツ航空の広告

F1にはフィリップモリスもスポンサーとして関わっている

F1といえばフェラーリというくらい、F1ブランドの顔とも言えるフェラーリチームには「iQOS」を販売しているフィリップモリス社がスポンサーとして関わっています。

もともと、ヨーロッパでタバコ広告が規制されるまでは多くのタバコメーカーがF1チームにスポンサーとして資金提供などをしていましたが、タバコメーカーの広告が禁止されると、徐々にタバコメーカーのスポンサーは少なくなり、今ではフィリップモリスくらいしか残っていません。

ですが、フィリプモリス社はフェラーリへのスポンサーを続けています、マシンにタバコのブランド名を入れることも、社名を入れることもできないのに何十億のお金をフェラーリチームに提供し続けています。

マーケティングとして、しっかり元が取れているということです。

日本グランプリにもフィリップモリス社の展示ブースは出されており、毎年行列ができています。

一番人気の展示ブースといっても過言ではありません。

「iQOS」特別版の販売やフェラーリチームのパドックへの招待など、「iQOS」購入についてくる特典が素晴らしいことも理由の一つでしょうが、かなり多くの方がF1の場で「iQOS」を購入されています。

コンビニなどで品切れ状態だった時もF1日本グランプリのブースでは大量にiQOSが用意されていました。

非喫煙者からは臭いがきついという意見もあるようですが、健康面を気にされている喫煙者からは好評の商品です。

F1マシンにiQOSのマークも文字も一切ありませんが、しっかりとマーケティング戦略ができているので売れ行き好調が続いている商品です。

世界的に見ても紙タバコの需要は低くなるでしょうから、F1を活用してiQOSをアピールするフィリップモリス社と比較して日本のタバコメーカーは今後厳しい状況下に置かれるでしょう。

フィリップ・モリス社はマシンやコース内に広告を出すことができないにもかかわらず、2018年以降のフェラーリとのスポンサーシップ契約を延長しています。

報道されているスポンサーシップ料は100億以上です、テレビには社名やブランド名が出ず、サーキットコース内にも一切広告が打てない状況(たばこ広告規制)があるにもかかわらずです

F1の各グランプリには世界中のVIPが訪れるだけでなく、多くの経営層や富裕層が招かれています。彼らとビジネスするチャンスがF1を通して用意されているということです。

最も、JTはタバコ以外に舵を切っている面も多いので同業としては戦う気はないかもしれませんが。

IQOSとは

F1にスポンサードしているフィリップモリス社が販売しているiQOSとは有害物質9割カットで副流煙が出ずニオイもつかない新時代の加熱式タバコです。

吸っている感じもしっかりとあり、煙のような水蒸気が出まる為、タバコをやめれない方や、部屋や服に付くニオイが気になる方に人気の商品です。

また、特別版の色などが販売されるなど、おしゃれな外観も人気の理由の一つです。

紙タバコは広告規制のため、以前よりパッケージデザインがカッコよくなくなってしまいましたからね。

色は白や青などいくつかあります。

コンビニなどでも販売されていますが、限定カラーなどはAmazonなどで購入可能です。

F1にスポンサードする貴重なタバコメーカーなので、喫煙者の方にはぜひiQOSを買って間接的にF1を支援してもらいたいですね。

ANAもF1にスポンサーとして参入すればいいと思うのですが、今の所そういった動きは見えないのが残念です。

F1と航空会社とのスポンサー関連については https://mileage.design-fig.com/f1/でも書いていますので興味のある方はぜひ読んで見てください。

2017年はタイトルスポンサーなし?

2017年のF1日本グランプリは未だにタイトルスポンサーが付いていない状況のようです。

同じアジアで開催され、航空会社がタイトルスポンサーのシンガポールグランプリは開催契約の延長が発表がされましたが、日本グランプリのタイトルスポンサーに名乗りを挙げる企業はいないようです。

ANAやJALなどがシンガポール航空と同じようにF1ビジネスの本質を理解して入れば参入の可能性もありましたが、両社の動きを見ていてもF1スポンサーシップの・ビジネスの世界に入ってくる可能性は低そうです。

ホンダがエンジンサプライヤーとしてF1に参入しているので、鈴鹿サーキットでの日本GPが開催されていますが、2018年以降はもっと需要のある国での開催となる可能性もあります。

国際的に既に評価の高かったシンガポール航空がわざわざF1を誘致し、長い間タイトルスポンサーに付いている意味をANAやJALの経営陣には理解してもらいたいです。